本編動画
2025年3月6日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。
1:11 (1)今週のジャーナリストの視点
3:19 (2)告知:湯川塾56期受講生募集!
3:44 (3)OpenAIの単独リードから変化してきた業界勢力図
13:12 (4)OpenAIのロードマップ的に考えると「今後は基盤モデルよりかはエージェント」
30:27 (5)AnthropicとOpenAIのロードマップ比較
35:47 (6)次の熱い領域は「パーソナルエージェント」
50:51 (7)一番使いやすいAIの仕組みを作ってくるのは誰か
各チャプターの概要は以下の通りです。
(1)今週のジャーナリストの視点
(2)告知:湯川塾56期受講生募集!
(3)OpenAIの単独リードから変化してきた業界勢力図
・3カ月前の業界勢力図:OpenAIがリードし、Anthropic・Googleが3カ月後を追う。Cohere・Inflection AI・Character AIはトップ集団から脱落
・現在の業界勢力図:OpenAI、Google、x.ai、Anthropicが先頭集団。オープンソースでは中国DeepSeekが大躍進。MetaのLlamaの次バージョンがどうなるか。OpenAIの最新モデルが必ずしも最先端ではない
・GPT-4.5は感情理解が得意そう、Claude 3.7 Sonnetはコード支援で評判、xAIはわずか2年で先頭集団に追いついた、Google Geminiはいち早くDeepResearchをリリース。少し遅れてオープンソースも。中国でDeepSeekが熱狂中で、Metaは次世代モデルLlama 4 に期待が高まっている
・米国企業はLlamaを積極的に活用していたが、DeepSeekが話題になってきている
※参考:“Grok 3, AI Memory & Voice, China, DOGE, Public Market Pull Back”| BG2 w/ Bill Gurley & Brad Gerstner https://youtu.be/UGmOYNWiV1A?si=mIFo6CUwUzjbMb0p&t=1099
(4)OpenAIのロードマップ的に考えると「今後は基盤モデルよりかはエージェント」
・GPT 4.5に対するインフルエンサーの評判。AI関連情報に関してはXのdさん(@d_1d2d)がおすすめ
https://x.com/d_1d2d
・GPT-5は、スケール則を追求し進化するだろうし、GPTシリーズと論理的思考モデルの合体になるだろうが、新たなパラダイムは拓きそうにもない。(The WAVEもGPT-5リリース時に緊急配信等することもなさそう)
・OpenAIとAnthropicはAI進化のロードマップに関する発信をしている
・Bloomberg通信による2024年7月の報道によると、OpenAI5段階進化ロードマップの4段階目「イノベーター」は「発明を支援するAI」と記載されている。
・OpenAI リサーチャーのKarina Nguyen氏(2022〜2024まではAnthropicに所属)「その次のステージは何でしょう?私の考えでは次はco-innovatorだと思います」「(それはクリエイティビティを持ったエージェントで)クリエイティビティはAIと人間のコラボでのみ実現する」「人間とAIのコラボがうまくいくと、コラボはさらに協力になり、さらにクリエイティブな能力を作り出すようになる」
※参考:AI Engineer Summit 2025: Agent Engineering (Day 2)
https://www.youtube.com/live/D7BzTxVVMuw?si=1BbtflGw6L2Jizux&t=25594
・Nguyen氏がAnthropicとOpenAIで学んだこと
・人間とAIのコラボの原型:ChatGPTのCanvas機能(インターフェースの柔軟さ、共同執筆/編集者、マルチプレイヤー/マルチエージェント、家庭教師にもデータサイエンティストにもなる etc…)
(5)AnthropicとOpenAIのロードマップ比較
・Anthropicのロードマップ:アシスト(2024)、コラボ(2025)、パイオニア(2027)。パイオニアでは、チームだと数年かかるような困難な課題のブレークスルーや解決策をClaudeが見つけるようになる、とのこと
※参考:Anthropic “Claude 3.7 Sonnet and Claude Code”
https://www.anthropic.com/news/claude-3-7-sonnet
・二人による、2社のロードマップを見比べた感想
(6)次の熱い領域は「パーソナルエージェント」
・基盤フロンティアモデル以外の注目ポイント:パーソナルエージェント、人型エージェント、中国AI
・MetaのSoumith Chintala氏(AI Fixer)が考えるパーソナルAIエージェント:講演タイトル「Meta: What does it take to build a personal, local, private AI Agent that augments you deeply?」
※参考:AI Engineer Summit 2025: Agent Engineering (Day 2)
https://www.youtube.com/live/D7BzTxVVMuw?si=JACzildWcmwrkPdg&t=28347
・「ユーザーにとって本当に役立つためには、ユーザーの生活に関する多くの情報を把握し、それらをローカルかつプライベートに保つことが必要」「どれだけ賢くても、ユーザーの状況を完璧に把握できていないのなら、使い物にならない(”useless as a bag of rocks”)」(Chintala氏)
・ローカルである必要性:パーソナルエージェントはユーザーの全てのプライバシー情報を持つことになるので完全にコントロールしたい+全てのサービス・ツールへと平等に繋がれるから非中央集権がいい+危ない考え方をしていることで罰せられたくない
・パーソナルエージェントの技術課題
・オープンソースに取り込む人が増えれば増えるほど、オープンソースの方がクローズドより進化が速くなる可能性
・二人による、パーソナルエージェントの動向に関する感想
(7)一番使いやすいAIの仕組みを作ってくるのは誰か
・正面から攻撃してもGoogleを落とせない。別の角度から検索より遥かに便利な機能を提供することでしか攻略できない。それをしたのがChatGPT
・エージェント、イノベーター、アシスタント、コラボレーター、パイオニア・・・。名前や機能はどうであれ、一番使いやすいAIの仕組みを作ってくるのは誰か
登壇者情報

遠藤 太一郎
株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授
AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等

湯川 鶴章
株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長
米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。