GPT-4o最大の成果とは?実は、特化型モデルは今後不要になる?2大LLM発表の余波を感じた一週間(2024年5月23日配信版)

目次

本編動画

2024年5月23日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。

0:38 ①OpenAIのAI安全性チーム辞任ドミノでどうなる!? AIの安全対策
6:17 ②サム・アルトマン「AIとサプライズは両立しない」
8:58 ③ネイティブマルチモーダルの実現がもたらすもの
11:59 ④生徒の発話・音声データから非認知能力を見取るAI活用法
20:33 ⑤GPT-4o最大の成果は「アルゴリズムの効率化」にあり
23:47 ⑥特化型モデル不要説
28:28 ⑦Grokの日本語対応開始が有り難すぎる

各チャプターの概要は以下の通りです。

①OpenAIのAI安全性チーム辞任ドミノでどうなる!? AIの安全対策
・ChatGPT-4oが出たタイミングで、イリヤ・サツキーバー氏らOpenAIのAIの安全性チームが次々と辞めていった話
・安全性最重視にすると、開発中止が一番という話にもなりかねないから難しいところ
・Googleもフロンティアセーフティフレームワークを発表
・イーロン・マスクも立ち上げ時には安全性重視と謳っていたが、今はそうでもない印象
 
②サム・アルトマン「AIとサプライズは両立しない」
・サム・アルトマンは最近「AGI」という言葉を使いたがらない
・サム・アルトマン「AIとサプライズは両立しない」:サプライズでマーケするのは良くないという考え。段階的にどんどんと進化させるほうが社会に馴染む
 
③ネイティブマルチモーダルの実現がもたらすもの
・ChatGPT-4oは消費者向けになってきているのが面白い
・テキスト以外の情報に関して、テキストに変換しないで、そのままのデータでインプット・アウトプットができるように
・AppleのWWDCでOpenAIとの提携が発表されるとブルームバーグが予測記事を配信
 
④生徒の発話・音声データから非認知能力を見取るAI活用法
・Appleの元CDOだったジョナサン・アイブとサム・アルトマンが会話
・サム・アルトマン「スマホを超えるデバイスはなかなか難しいな。なんらかの音声に関わるデバイスになるとは思うけど」
・デモを見る限り、多くの領域で教育活用ができそう。図形を理解してリアルタイムで話して、寄り添って教えてくれる
・YouTubeなどで学びたいことを学べる時代の、さらに一歩先をいく時代へ
・文科省事業で東京学芸大学との共同実証プロジェクトの紹介。生徒の発話・音声データからAIを使ってフィードバックをする仕組みの開発・検証
・AIが進化しても陳腐化しないよう、ビジネスパーソンは事業を考えていく必要がある時代へ
 
⑤GPT-4o最大の成果は「アルゴリズムの効率化」にあり
・サム・アルトマン「GPT-4oで一番重要なのはアルゴリズムの効率化に成功したことだ」
・コンピューティング資源があまりかからないようになった。API接続でも半分ほどのコストで実現したのも、その証だと言える
・よってサム・アルトマンは、そこまで電力の心配をしていないとのこと。ただし、利用コストが安くなると需要が大きくなるので、電力問題は解消というわけではない
・クローズドソースモデルとオープンソースモデル、それぞれに重要な役割がある
 
⑥特化型モデル不要説
・サム・アルトマン「特化型モデルはいらないんじゃないか」
・汎用AIが論理的思考ができるようになれば、あとは個別に外付けすればいい考え方
・とはいえ、Soraなんかは一種の特化型モデル。まだ論理的思考が十分発達できていないから、特化型と作っていると言える
・非公開データに対してライセンス料を支払うという話があるが、サム・アルトマン曰く「公開データだけで十分賢くなってきている」
・しばらくは複数の特化型モデルは必要だろうが、究極は一つの汎用モデルだけで事足りる世界になるかも
・とはいえ、国や文化圏ごとに作られるという考え方もあり得る
 
⑦Grokの日本語対応開始が有り難すぎる
・X実装のLLM「Grok」が日本語対応開始。Xの検索性があまり良くなかったが、結構使えるように。リサーチャーにとってかなりありがたい環境になった
・個人がLLMの連携先を選択/購入できるような世界になるかも

個別テーマ解説動画

また、各テーマに分割した動画も配信しました。興味のあるトピックに応じてご覧ください。

OpenAIの安全対策チーム解散でどうなる!? AIの安全対策

0:00 チーフサイエンティストのイリヤ・サツキーバー氏が辞めた影響
2:48 安全性重視とビジネス開発のバランスが難しい  

※サムネイル画像はFree Fun ArtによるPixabay画像を活用

なぜ、サム・アルトマンは「AGI」という言葉を使いたくないのか

0:00 サム・アルトマン「AIとサプライズは両立しない」
2:41 ネイティブマルチモーダルの実現がもたらすもの
4:34 Apple年次イベント「WWDC24」でOpenAIとの提携が発表されるか

国内でも生徒の「非認知能力」を見取るAI活用が進んでいる

0:00 Appleの元CDOとサム・アルトマンが次期デバイスに向けて会話
2:20 学びたいことを学べる時代の、さらに一歩先へ
5:52 東京学芸大学での共同実証で非認知能力の見取りをシステム化

GPT-4o最大の成果は「アルゴリズムの効率化」にあり!

0:00 AIにかかる電力問題は解消する?まだまだ前途多難?
2:16 クローズド型かオープンソース型かは重要でなくなる

サム・アルトマン「特化型モデルはいらないんじゃないかな」

0:00 汎用AIの論理的思考力が伸びれば特化モデルは不要という考え方
1:59 公開データだけで十分賢くなってきている
3:51 地政学的に考えると、国や文化圏ごとの汎用モデルに落ち着くかも

※サムネイル画像はBakhrom TursunovによるPixabay画像を活用

Grokの日本語対応開始から考えるLLM連携の未来

0:00 Xの検索性爆上がりで、特にリサーチャーにとって有難い環境に!
1:20 個人がLLMの連携先を選択/購入できるような世界になるかも

登壇者情報

遠藤 太一郎

株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授

AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等

https://kaname-prj.co.jp

Lucky☆TEDDY

The WAVE フェロー

The WAVEのリサーチ責任者であり、「良心」を司る存在でもある人物。左手には様々な最先端テクノロジーが詰まった福袋を、右手には幸せと豊さを呼ぶ黄金の小槌を持ち、毎日ゴキゲンに情報の荒波をサーフィンしながら、常に2歩先の未来を見据えて鋭い切り口で世の中の動向を分析する。たまに毒づくこともあるが、それも愛ある証拠。帽子には良心の「良」の文字が刻まれている。

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この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

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