本編動画
2024年10月5日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。
1:04 (1)OpenAIでCTO他幹部が相次いで退任し、MetaがARグラス「Orion」を発表
6:22 (2)アメリカでTeslaの最新鋭自動運転を試してきた!
16:18 (3)サム・アルトマン氏と、OpenAIの最高製品責任者・Kevin Weil氏の対話
31:40 (4)OpenAI DevDay 2024発表の新機能群5選!
51:35 (5)66億ドルを調達したOpenAIの組織的変化
57:34 (6)ChatGPTに新登場した「Canvas」機能の使い心地
各チャプターの概要は以下の通りです。
(1)OpenAIでCTO他幹部が相次いで退任し、MetaがARグラス「Orion」を発表
・CTO(最高技術責任者)のMira Murati氏や、CRO(最高研究責任者)のBob McGrew氏、研究担当VPのBarret Zoph氏などが次々と退職を表明
・OpenAI o1という非常に大きなジャンプを達成したので、研究者よりも、プロダクトに強い技術者が必要なフェーズに入ったのではないか
・9月25日(米時間)開催「Meta Connect 2024」で、MetaのARグラス「Orion」が発表された
・ついでにバージョンアップされたRay-Ban Metaスマートグラスもいい感じの性能に
(2)アメリカでTeslaの最新鋭自動運転を試してきた!
・レンタカーサービス・Turoで、2024年版Tesla「Model Y」のEnhanced Autopilot 99ドル(EV向けの運転支援機能の1つ)を追加の上でレンタル
・完璧じゃないが、未来を感じた瞬間でもあった
・感じた課題点:ショッピングモールの入口など狭い道路だと他の車にぶつかりそうになった、道路標識などの法規制が自動運転を前提に作られていない、方向指示器や歩行者などの人の意思を読むのが下手、充電に時間がかかる、眠くなる 等
(3)サム・アルトマン氏と、OpenAIの最高製品責任者・Kevin Weil氏の対話
・2024年10月1日開催「OpenAI DevDay 2024」にて、Sam Altman氏とKevin Weil氏の対話セッションが設けられた
・LLMにおける「スケーリング則」と「創発的能力」(AI開発の5段階ロードマップにおける4段階目の話)
・「2025年にエージェントが大きく飛躍する年になると思う」(Weil氏)
・(エージェントに関する現在の障壁は?という質問に対して)「安全性とアライメント」(Altman氏)
・(AIを機能として使用するスタートアップに対して)「今日のモデルが得意とすることを構築していると、明日には古く感じるでしょう」(Weil氏)
・「o1モデルは非常に早く、大幅に改善されるでしょう」(Altman氏)
・「GoogleのNotebookLMは本当にクールだと思う」(Altman氏)
(4)OpenAI DevDay 2024発表の新機能群5選!
・リアルタイムAPI
→音声での入出力の送受信が可能に。ただし現時点ではコストが高め。画像や映像などのマルチモーダル対応も予定
・APIにプロンプトキャッシングを導入
→GoogleやAnthropicは手動での設定が必要だが、OpenAIでは自動でキャッシングされる。API利用料を自動で安くしてくれる
・ファインチューニングAPIにVisionを導入
→画像のファインチューニングができるように
・APIでのモデル蒸留
→蒸留が有効的に機能する領域としては、①比較的狭い領域をカバーして比較的低い制度要件をもつタスク、②高い精度を必要とするが一般性が狭いタスクの2つが挙げられる。API経由でやり取りした内容は自動保存され、自動でデータセットにしてくれるので、それを元に蒸留してくれる
・プロンプトジェネレーター
→雑なプロンプトを入れても精度の高いプロンプトをアウトプットしてくれる
(5)66億ドルを調達したOpenAIの組織的変化
・OpenAIが、1,570億ドルの評価額で66億ドルの資金調達を実施。非営利団体から営利団体への脱却が一つの契機。資金調達の条件の一つとして、サム・アルトマンの株保有があった可能性あり
・研究機関カラーからプロダクト製造カラーに組織が変わっていったことで、研究志向のメンバーがやめていったのかも
(6)ChatGPTに新登場した「Canvas」機能の使い心地
・「GPT-4o with canvas」モデルを選択することで、文章やコードに対する「編集」が楽にできるようになる
・高度な高度な音声機能も無料ユーザーへと公開
個別テーマ解説動画
また、各テーマに分割した動画も配信しました。興味のあるトピックに応じてご覧ください。
ChatGPTに新登場したモデル「GPT-4o with canvas」って何?
アメリカでテスラの最新鋭自動運転を試してみたら、スゴいんだけど眠くて仕方なかった話
0:00 2024年版Tesla「Model Y」のEnhanced Autopilot
2:03 未来を感じたが、まだまだ課題も多いと実感
7:20 実際の運転映像はこちら
OpenAI DevDay 2024で発表された新機能【5選】!
0:00 「リアルタイムAPI」で音声での入出力の送信が可能に
3:25 APIへのプロンプトキャッシング導入でコストメリットが向上
5:21 画像のファインチューニングができるように
7:12 「軽くて、早くて、安い」を実現する「モデル蒸留」機能
15:21 OpenAIも出してきた「プロンプトジェネレーター」
※サムネイル画像はvandesartによるPixabay画像を活用
退職当日の朝にサム・アルトマン氏に退職の旨を伝達。CTO突然退任の影響とは
0:00 研究職系幹部が次々と退職しているけど大丈夫?
1:32 非営利団体から営利団体への変化は投資家からの要望か
4:16 「研究志向」から「プロダクト志向」へと組織が明確に変わったタイミング
※サムネイル画像はFAN XIAOMEIによるPixabay画像を活用
登壇者情報
遠藤 太一郎
株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授
AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等
湯川 鶴章
株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長
米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。