【号外配信】ひょっとしてケンカ売ってる!? OpenAI「ChatGPT search」とGoogle AI Studio「Grounding with Google Search」がほぼ同時リリース

目次

本編動画

2024年11月3日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。

0:00 (1)号外解説の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点
2:21 (2)ChatGPT searchの回答結果とPerplexityの回答結果を比較してみる
8:13 (3)Googleの「Grounding機能」が結構すごい
12:54 (4)Ground機能ではプロンプトごとに検索すべきか否かを判断している!
17:34 (5)そもそもGoogle検索は確実に減っていくトレンド
19:39 (6)ChatGPT searchのChrome拡張機能が、Googleにケンカを売っている件
22:42 (7)これからの時代のパーソナルエージェントと検索機能群の使い分け
29:37 (8)OpenAI/Perplexityと「コンテンツホルダー」の関係
34:26 (9)個人サイトやブログは今後あまり見られなくなるか

各チャプターの概要は以下の通りです。

(1)号外解説の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点  

(2)ChatGPT searchの回答結果とPerplexityの回答結果を比較してみる
・回答精度に大差はないが、ChatGPT searchの方が回答速度が速い。Perplexityの段階的思考はあくまでサードパーティー製のLLMを使っているので、どうしても時間がかかってしまう背景がありそう
・ 今回の検索モデルはGPT-4oを微調整したもの。OpenAI o1-previewによる段階的思考を通じた蒸留出力を含む、新しい合成データ生成技術を使用して事後学習されている  

(3)Googleの「Grounding機能」が結構すごい
・Googleも同じタイミングで、Gemini APIとGoogle AI StudioがGoogle検索とのGroundingができる「Grounding with Google Search」を発表
・そもそもの話で、Google AI Studioがめちゃくちゃ便利。コンテキストウィンドウ 200万トークンを利用できる他、動画も読み込ませることができる
・先ほどと同じプロンプトでGrounding機能を使ってみると、ChatGPT searchよりもPerplexityよりも的確な結果に
・API提供されているので、例えば自サービス・アプリケーションに組み込んで利用することも可能
・プラットフォームの機能的にはGoogle(AI Studio)に分がありそうだが、マーケティングの上手さはOpenAIの方が上の印象

(4)Ground機能ではプロンプトごとに検索すべきか否かを判断している!
・Grounding機能をONにしても、プロンプトごとにGrounding機能を使った方がいいか個別に否かを判断する仕組みになっている。さらにAPIだと閾値もセットすることができる
・一方でOpenAIのChatGPT searchは検索機能をONにすると必ず検索する仕様。GoogleのGrounding機能の方が使い勝手が良さそう

(5)そもそもGoogle検索は確実に減っていくトレンド
・Altimeter CapitalのVivek Goyal氏が2024年6月25日に出したレポート「How Will Agents / Chatbots Reshape the Internet? 」より、Googleのキーワード検索が確実に減っていく

(6)ChatGPT searchのChrome拡張機能が、Googleにケンカを売っている件
・ChatGPT searchのChrome拡張機能をインストールすると、ChromeのURL部分で検索をした際に、Google検索結果ではなくChatGPT searchの画面が開いて結果が返るようになる  

(7)これからの時代のパーソナルエージェントと検索機能群の使い分け
・恐らくちょっとした疑問はパーソナルエージェントに聞き、深くリサーチしたいときは、ChatGPT SearchかPerplexityかGoogle Groundingへ。企業はGemini APIとGoogle AI Studioを通じて Grounding with Google Search
・パーソナルエージェントは、スマホ、スマートグラス、AIネイティブデバイスに搭載されるだろう。スマートグラス市場に関しては、例えばRayBan Metaは2023年10月の発売以降、予想を上回る需要があり、これまでに70万台以上が出荷している
・OpenAIも、元Appleのチーフデザイナーであるジョニー・アイブ氏をはじめ、AppleでiPhoneやApple Watchの開発に携わったデザイナーら10人のチームでAIネイティブデバイスを開発中。2024年末までに最大10億ドルの資金調達を目指しているとのこと  

(8)OpenAI/Perplexityと「コンテンツホルダー」の関係
・OpenAIは2024年5月に、News Corpと5年間の契約を締結しウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・ポストなどのコンテンツを使用する権利を取得したり、同月にVox MediaやThe Atlanticとのパートナーシップ契約を締結したり、世界新聞協会(WAN-IFRA)と提携して128の報道機関にAI技術を提供する「Newsroom AI Catalyst」プログラムを開始したりしている。2024年8月にはCondé Nastと複数年契約を締結し、VogueやThe New Yorkerなどのコンテンツの使用権利を取得している
・2023年12月にニューヨーク・タイムズがOpenAIとマイクロソフトを提訴する他、様々な提訴案件は発生している
・Perplexityは2024年7月に、TimeやFortuneなどの出版社と提携し、広告収益の一部を共有する取り組みを開始している。News CorpはPerplexityに対しても、OpenAIと同様の複数年のコンテンツライセンス契約を要求中
・2024年10月、ニューヨーク・タイムズはPerplexityに対して自社コンテンツの無断使用を停止するよう要求する「停止通告書」を送付しており、またNews Corp傘下のDow JonesとNew York Postも同社を提訴している

(9)個人サイトやブログは今後あまり見られなくなるか
・米国ではReddit、twitterが人気で、インフルエンサーはYouTube。日本だとnoteと提携か?

登壇者情報

遠藤 太一郎

株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授

AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等

https://kaname-prj.co.jp/

湯川 鶴章

株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長

米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

https://community.exawizards.com/aishinbun

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この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

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