2025年上半期のAI業界ニュースまとめ!AI進化ロードマップの現状や、AI失業の現実、業界勢力図の変化について半年間の総括をした一週間(2025年6月13日配信版)

目次

本編動画

2025年6月13日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。

1:03 (1)今週はここ半年のまとめ
3:37 (2)指数関数的な急速な進化なのか?それともハイプサイクルに入るのか?
8:47 (3)AI進化のロードマップで、今はどこ?
19:38 (4)始まったAI失業
31:05 (5)業界勢力図の変化

各チャプターの概要は以下の通りです。

(1)今週はここ半年のまとめ  

(2)指数関数的な急速な進化なのか?それともハイプサイクルに入るのか?
・SITUATIONAL AWARENESS: The Decade Ahead, Leopold Aschenbrenner,,
https://situational-awareness.ai/
・「あと18ヶ月でAIがほぼ全てのコードを書くようになる」by. Mark Zuckerberg
https://youtu.be/rYXeQbTuVl0?si=1lbwMIUrp115FU6z
・AIが処理できるコーディングタスクの長さは、2019年から2024年までは7か月ごとに、2024年以降は4か月ごとに倍増している
https://arxiv.org/pdf/2503.14499
・AIモデルが次世代のモデルを自分で開発するようになり、その性能や開発速度は指数関数的に伸びていく(2024年8月21日にガートナーは、生成AIが幻滅期に入ったと宣言したが)
・結論:AIの進化は減速するどころか、加速してきた  

(3)AI進化のロードマップで、今はどこ?
・OpenAIの考えるAI5段階進化
 ①チャットボット
 ②論理的思考(考えるAI)
 ③エージェント(行動するAI)
 ④発明家
 ⑤AIカンパニー
・o3は画像で考えるし、検索しながら考える(“検索行動” を推論ループに取り込んだことで、検索と推論を行ったり来たりしながら最終答えを磨き上げる──これが外部ツール連携型 LLM と比べたときの質的な飛躍)+異なる専門領域のファクトを考慮して新しい知見を見つけ出す
・2025年はエージェント元年:最初のエージェントのヒットは、Deep Researchとコーディングエージェント
・「LLMsの基盤モデル、ヘルスケア(医療文字起こしなど)、コーディング(Cursor, Codium, Cognition, Microsoft Copilotなど)、カスタマーサクセス(Sierra, Decagonなど)といった領域では、主要なプレイヤーが決まりつつある。一方で、セールス生産性ツール、金融アナリスト向けツール、会計ツール、ファーマ(製薬)分野など、まだ広く開かれており、誰が成功するかが不明確な領域も多く存在します」(シリコンバレーの投資家の見解)
https://www.youtube.com/watch?v=IkPWKrCT6Y8
・Alpha Evolve:コードを“進化”させるAI探索エンジン
・o3:異なる分野の情報を掛け合わせて新しい知見を発見。学際的な研究が一気に進む可能性
・ソフトバンクのCristal Intelligence:「あらゆる質問に答える水晶玉」社内システム・データベース・会議記録・ソースコードまでを横断統合。「日本からAGIが始まる」(孫正義氏)
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20250204_02  

(4)始まったAI失業
・様々なAI失業ニュース
https://apnews.com/article/microsoft-layoffs-d1f2de54ebad6f099deac8fbd3375835
https://www.theguardian.com/technology/2025/may/13/microsoft-layoffs?utm_source=chatgpt.com
https://www.reddit.com/r/microsoft/comments/1kj0cm9/layoffs_again_may_2025/?utm_source=chatgpt.com
https://www.crn.com/news/ai/2025/salesforce-to-lay-off-over-1-000-employees-amid-ai-hiring-spree?utm_source=chatgpt.com&itc=refresh
https://blog.dropbox.com/topics/company/an-update-from-drew?utm_source=chatgpt.com
https://www.reuters.com/business/duolingo-raises-2025-forecast-ai-powered-subscription-garners-wider-appeal-2025-05-01/?utm_source=chatgpt.com
・コーディングの次は、リサーチ、分析。エンジニアは今後、営業、カスタマーサクセスに移動し、技術バックグラウンドのない営業よりも重宝されるようになる
・「2026年末までには、メールや購入履歴を整理して経費精算を行うような複雑なタスクも、誰かが集中的に開発に取り組めば確実に可能になる」by. Sholto Douglas氏
https://www.youtube.com/watch?v=64lXQP6cs5M
・専門知識よりもエージェントループ設計力が重視される時代に(ループ=「タスク実行 → 検証 → 改善」を自律的に回すワークフロー)
・「◯◯の専門家」より「安価な計算資源・API を束ねて成果を出せる人」が希少になる」by. Shyamal Hitesh Anadkat氏
https://www.linkedin.com/pulse/age-agent-orchestrator-shyamal-hitesh-anadkat-mapkc
・Agent Literacy が次世代の Excel スキルへ
・不足しているスキル:①タスクをマイクロタスクに分割し、プロトタイプが期待通りに機能しない場合にパフォーマンスを改善するために、どのステップに取り組むべきかを判断するスキル、②ビジネスプロセスからデータを取得し、プロンプトや処理を行い、エンドツーエンドのシステムを構築するための「配管」を整備するスキル、③適切な評価(eval)フレームワークを導入することが重要であり、これはシステムの全体的なパフォーマンスを理解するだけでなく、個々のステップをトレースして問題のある箇所(例えば壊れたプロンプト)を特定し、改善に取り組むスキル
・「多くのチームは、人間による評価に頼りすぎる傾向があり、変更のたびに出力を確認するのに時間を費やしているため、系統的な評価の導入が遅れている」by. Andrew Ng氏
https://www.youtube.com/watch?v=4pYzYmSdSH4  

(5)業界勢力図の変化
・OpenAI単独リード(2024年秋)AIモデル性能競争のフェーズ→先頭グループが抜きつ抜かれつ(2025年1月)他社が追いついた→Googleが頭ひとつリード(2025年4月)企業利用が増え、コスパ重視に→Anthropic Claude 4に高評価(2025年5月)コーディングエージェントの競争
・ChatGPTは消費者の間でブランド確立(一般メディアやあまりAIを使っていない人はOpenAIに注目、GPT-5でお祭りになる予感。企業の戦略部署はコスパに注目でGoogle Gemini Pro 2.5が人気。エンジニアはコーディングの性能に注目でClaude 4が人気。一般ビジネスパーソンはリサーチ・検索機能に注目でOpenAI o3が人気)

登壇者情報

遠藤 太一郎

株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 教授

AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等

https://kaname-prj.co.jp/

湯川 鶴章

株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長

米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

https://community.exawizards.com/aishinbun

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

目次