「AIの論理的思考とは何か」をOpenAI o1の開発者3名の話からを考え、来たるエージェント時代にチャンスがありそうな領域を模索した一週間(2024年10月18日配信版)

目次

本編動画

2024年10月18日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。

0:57 (1)今週の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点
3:35 (2)OpenAI o1の開発者3名が語る「o1の中身」と「論理的思考の考え方」
26:30 (3)エージェントのスタートアップに資金が集まり始めている!
32:48 (4)「エージェントやチャットボットはネットをどう変えるのか」by.Vivek Goyal氏(Altimeter Capital)
40:11 (5)OpenAIが出してきた「Swarm」(エージェントの群れ)とは何なのか

各チャプターの概要は以下の通りです。

(1)今週の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点  

(2)OpenAI o1の開発者3名が語る「o1の中身」と「論理的思考の考え方」
・OpenAI o1を開発した若手3名。Ilge Akkaya氏、Hunter Ligntman氏、Noam Brown氏。リーダーのBrown氏はFacebook AI研究所でCeceroを開発した人物で、「彼がいなければo1開発は無理で、ライバル社はしばらく追いつけないと思う」とSequoia Capitalのキャピタリストが発言
・論理的思考とは、「時間をかけて幾つかのオプションの可能性を試すプロセス」
・明確に定義されていない領域でもo1の強化学習は有効
・o1は、答えを作り出すのは難しいが検証は簡単、という類の問題が得意
・モンテカルロ木探索は使われていないかも
・今の論理的思考でAGIは実現するのか
・推論時に計算資源を投入すればするほど、性能がよくなることが分かった。「スケーリング則の限界の天井は多くの人が思っている以上に高い」
・今はまだ何ができて何ができないのか分からない状態。今後利用が広がる中で足りない機能が見えてくるはず  

(3)エージェントのスタートアップに資金が集まり始めている!
・カスタマーサポートエージェントのDecagonや、顧客エンゲージメント向上エージェントのSierraなど、いずれも社員30名程度の「少人数大企業」スタイル
・agent.aiの技術責任者・Andrew Oprisan氏によるエージェントの定義:ユーザーのためにタスクを実行したり、判断できる、半自動システム
・非常に流動的なので、とりあえずの定義は「人間に代わって自律的に動くAI」で良いのでは  

(4)「エージェントやチャットボットはネットをどう変えるのか」by.Vivek Goyal氏(Altimeter Capital)
・Altimeter CapitalのVivek Goyal氏によるレポート 「エージェントやチャットボットはネットをどう変えるのか」より、「娯楽>情報収集>商取引」の順でユーザーは多くネットにアクセスしているが、最もお金を使っているのは商取引
・情報収集:キーワード検索ではなくAIに聞くことが増え、スマホ利用の69%は2分以下の使用になってスマートグラスなどAIネイティブデバイスに置き換わり、弱小ウェブサイトへのアクセスが減少する
・商取引:スマホ、スマートグラス、スマートスピーカー、ChatGPTなどがパーソナルエージェントになる
・娯楽:制作費が4割から8割安くなり、大量のコンテンツで溢れかえって、コンテンツ製作と流通の間の技術レイヤーが儲かる  

(5)OpenAIが出してきた「Swarm」(エージェントの群れ)とは何なのか
・現時点ではOpenAIからはわかりやすい説明はなく、主に技術者向けの発表にとどまっている印象
・ルールベースのエージェントのフレームワークとして、比較的簡単にエージェントの群れ(マルチエージェント機能)を作ることができるとの理解
・まだまだ現時点では頭出し程度の印象

個別テーマ解説動画

また、各テーマに分割した動画も配信しました。興味のあるトピックに応じてご覧ください。

OpenAIの「Swarm」(エージェントの群れ)って何?

※サムネイル画像はGerd AltmannによるPixabay画像を活用

o1の若手開発者3名へのインタビューから紐解く「o1の中身」と「AI進化の考え方」が面白い!

0:00 OpenAI o1開発のリーダーはFacebook AI研究所でCeceroを開発した人物
2:46 o1開発者の考える、論理的思考の定義と得意なこと
5:16 モンテカルロ木探索は使われていないかも
7:04 明確に定義されていない領域でもo1の強化学習は有効
9:47 後戻りや自己修正ができるモデル
10:40 最大の目的はあくまでAGI実現にあり
12:04 今の論理的思考でAGIは実現するのか
15:28 スケーリング則の限界の天井は多くの人が思っている以上に高い
18:37 技術幹部が辞めたとてライバル社はなかなかOpenAIに追いつけないかも
20:15 LLM開発先頭集団による「アプリ市場独占」は実現しそうにない

※サムネイル画像はInnova LabsによるPixabay画像を活用

カスタマーサポートエージェントや顧客エンゲージメントエージェントの資金調達が続く

0:00 エージェントのスタートアップに資金が集まり始めている!
2:52 つまるところエージェントって何なのか?どう定義するべきか?

※サムネイル画像はMarkus WinklerによるPixabay画像を活用

AIエージェントビジネスでチャンスがありそうな領域を探る

0:00 「エージェントやチャットボットはネットをどう変えるのか」by.Vivek Goyal氏(Altimeter Capital)
0:57 情報収集:キーワード検索からAIとの対話に移行
3:17 商取引:パーソナルエージェントが担う
6:00 エンタメ:コンテンツ製作と流通の間の技術レイヤーが儲かる

※サムネイル画像はTumisuによるPixabay画像を活用

登壇者情報

遠藤 太一郎

株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授

AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等

https://kaname-prj.co.jp/

湯川 鶴章

株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長

米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

https://community.exawizards.com/aishinbun

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この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

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