本編動画
2024年11月15日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。
0:54 (序)「憶測」と「予告」は全然違う!トップAI研究所の人たちの話に耳を傾けるべき理由
2:56 (1)今週の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点
3:59 (2)トップAI研究所の一つ、OpenAIによる「予告」の経緯
7:28 (3)AGIが完成したら、MicrosoftとOpenAIの特別な関係も終わるという契約
16:15 (4)「OpenAIが技術的に行き詰まっている」というコメントについて
20:37 (5)5時間以上もあるAnthropic CEOによるPodcastが面白すぎる!
各チャプターの概要は以下の通りです。
(序)「憶測」と「予告」は全然違う!トップAI研究所の人たちの話に耳を傾けるべき理由
(1)今週の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点
(2)トップAI研究所の一つ、OpenAIによる「予告」の経緯
・OpenAIが今後1、2年にリリースするAIエージェント機能で、多くの人がAGIが完成したと感じるようになるだろう(Sam Altman氏)
・AIエージェントがリモートワーカーのようになって企業に大量導入されるようになるには、①論理的思考機能 ②データ連携、オンボーディング機能 ③オンラインコラボ機能、が必要(Leopold Aschenbrenner氏のレポート)
(3)AGIが完成したら、MicrosoftとOpenAIの特別な関係も終わるという契約
・Microsoftはマルチモデル戦略に切り替え
・OpenAIとしても、買収を通じてモデルの機能強化等を進めている
・2024年6月、データ連携に強いRockset社と、ソフト開発者向けのオンラインコラボツールのMulti社をそれぞれ買収
(4)「OpenAIが技術的に行き詰まっている」というコメントについて
・学習でのスケールが行き詰まっている等
・OpenAI 共同創業者のIlya Sutskever氏がロイター通信に対して、事前トレーニングのスケールアップの成果が頭打ちになっているとコメント。データの壁問題
・とはいえ推論のスケールなどの方向に進んでいると考えると、これがすなわち「技術的な行き詰まり」とは言えないのでは
・Sam Altman氏はインタビューに対してものすごく誠実な印象なので、技術的に行き詰まっているけどそれを隠すような嘘をつくようなことはあまり考えられないと思われる
(5)5時間以上もあるAnthropic CEOによるPodcastが面白すぎる!
・英語の書き起こしをマインドマップ(Mapify)でまとめ、The WAVEの2人が興味のあるところをClaudeにまとめてもらった上で進める
・2014〜2017年の間にスケーリング仮説への確信が深まる
・今後2年間が去10年間のような進化を遂げ、2026年か2027年までにAGIレベルに到達する可能性がある
・AI企業のモデル規模は現在10億ドル規模で、2024年には数十億ドル規模に。2026年には100億ドル規模、2027年までに1,000億ドル規模のクラスターを構築する可能性
・プログラミング能力は3%から50%に向上(10ヶ月で)、1年後には90%に達する可能性があるので、エンジニアの役割が変わるかも
・安全性に対する取り組みスタンスの違い。OpenAIは「アメリカ的な正義の心を以て開発を圧倒的にリードする必要がある」と考えているのに対して、Anthropicは「安全性をもっと考えて行動する必要がある」を考えている
・これまでは主に賢く教育を受けた人々がAIを使うことでモラルを維持できていたが、モデルが賢くなると悪意を持つ人々が使い始めるので、モラルの崩壊もおたらされる可能性がある
・人間が聞いて気持ちがいいもの、耳触りがいいものに傾きがち。AIによる「ごますり」問題
・人間が正しい場合にモデルが反発しすぎると迷惑になる可能性や、モデルが置かれている状況について真実を伝える重要性、必ずしもすべてのタスクを拒否する必要はないなど
・生物学などの複雑な分野で人間の限界を超える可能性がある
・ブログラミングの性質は変化するが、役割としてのブログラミングは残る
・「AI✖️◯◯」に精通していればいるほど、その領域は真っ先にAIに置き換えられる
個別テーマ解説動画
また、各テーマに分割した動画も配信しました。興味のあるトピックに応じてご覧ください。
多くの人の「憶測」に踊らされず、一部のトップAI研究所の「予告」に耳を傾けよう
0:00 トップAI研究所の一つ、OpenAIによる「予告」の経緯
3:28 AGIが完成したら、MicrosoftとOpenAIの特別な関係も終わるという契約
4:35 データ連携に強いRockset社をOpenAIが買収した理由
10:09 オンラインコラボツールのMulti社をOpenAIが買収した理由
※サムネイル画像はJayrによるPixabay画像を活用
「OpenAIが技術的に行き詰まっている」というコメントが寄せられたので実際のところを考えてみた
※サムネイル画像はAlexandrによるPixabay画像を活用
5時間以上もあるAnthropic CEOによるPodcastが面白すぎたので、概要をまとめてみた
0:00 マインドマップ化した上で興味のあるポイントをClaudeで要約
2:16 Anthropic CEOは「2027年までにAGIレベルに到達」と発言
6:51 OpenAIとAnthropicで違うAIの安全性へのスタンス
9:53 AIのごますり問題など、現状でのモデルの課題と将来展望
16:33 中長期的な、ネット上のパラダイムから三次元空間のパラダイムへの変遷
※サムネイル画像はJohn HainによるPixabay画像を活用
登壇者情報
遠藤 太一郎
株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授
AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等
湯川 鶴章
株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長
米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。