AIエージェントのカオスマップを眺めながら、ブラウザ使用型エージェント「Browser Use」を動かし、サンタ型の自律分散性に着目した一週間(2024年12月27日配信版)

目次

本編動画

2024年12月27日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。

1:01 (1)今週の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点
3:44 (2)AIエージェントの3レイヤーを考える(基礎技術インフラ、水平型、垂直型)
18:49 (3)ブラウザ使用型エージェント「Browser Use」が熱い!
28:44 (4)サンタクロースは自律分散システム?新しいガバナンスやコミュニティ運営のヒントを考える

各チャプターの概要は以下の通りです。

(1)今週の概観と、ジャーナリストの視点&エンジニアの視点  

(2)AIエージェントの3レイヤーを考える(基礎技術インフラ、水平型、垂直型)
・米VCのa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)がAIエージェントのスタートアップのカオスマップを発表(Intelligent Autonomation Market Map)。基礎技術インフラレイヤー、水平型エージェントレイヤー、垂直型エージェントレイヤーの3層で表現されている
・OpenAIなどがエージェント開発のための基礎技術を提供し、その上に水平型エージェント、垂直型エージェントが乗るという図式
参考:https://a16z.com/rip-to-rpa-the-rise-of-intelligent-automation/
・基礎技術インフラレイヤーでエージェント技術を提供するのは、Anthropic、OpenAI、Googleで決まり。どれもAIがブラウザを操作して、複数のサービスを連動させる仕組みになるもよう。AIエージェントがどのようなものになるのかを実感するためにも、Anthropicの動画は必見
※参考:https://www.youtube.com/watch?v=jqx18KgIzAE
・水平型エージェントレイヤー:データ抽出のReductoや、Web上のエージェントであるMultion.aiなど。今後は「Webデータクローラーや、レガシーソフトにあったデータ形状への変換など、1つのことに特化した水平型エージェントにチャンスあり」(by. a16z)
・垂直型エージェントレイヤー:医療事務専門エージェントのtennrや、物流に特化した音声AIのHappyWorker.aiなど。自然言語で操作できるAIエージェントなら、アナログ業界にも導入される可能性あり  

(3)ブラウザ使用型エージェント「Browser Use」が熱い!
・オープンソースプロジェクト「Browser Use」のデモ動画やXでの話題の投稿動画を見る限り、ある程度複雑なブラウザ操作を行っている
・Anthropicのcomputer useやMCP(Model Context Protocol)における複数動作では結構な割合で失敗していたが、Browser Useでは失敗の確率が相対的に低い印象
※MCPの参考:https://youtu.be/Xe9S6JZrQUs
・「Amazonで「ゲーミングノートパソコン』を検索し、5万円から10万円の範囲でベストセラー上位5位の商品名と価格を覧にして」というタスクでのデモ実施
・これを超えるものをOpenAIが出してくるか!?  

(4)サンタクロースは自律分散システム?新しいガバナンスやコミュニティ運営のヒントを考える
・遠藤太一郎さんによるnote記事の紹介 https://note.com/taichiro_endo/n/n7fca51614c79
・要約:サンタクロースを「自律分散型システム」として捉えることで、単なる子ども向けのファンタジーではなく、実は驚くほど高度な仕組みが見えてきます。特定のリーダーや中央管理者が存在しないのに、なぜか世界中で同じ夜にプレゼントという“成果”が実現する。その秘密は、みんなが共有する「物語」によって自主的な協力体制が生まれている点にあります。これはブロックチェーンやDAOのような技術的分散システムと異なり、文化的・物語的な合意形成を活用しているのがユニークなところです。 さらに、サンタクロースには「期限付きの全世界同時多発性」や「多層の秘密共有」など、新しいガバナンスやコミュニティ運営のヒントとなる要素が詰まっています。たとえば、子ども向けと大人向けで異なる“視点”を巧みに使い分けたり、“誰が何をいつやっているか”をあえて隠すことで、神秘やワクワク感を維持しつつも大きな成果を出しているのです。 この視点をプロジェクトや社会活動に取り入れることで、“ルール重視”だけでは生まれにくい自主性や創造性を引き出せるかもしれません。「サンタクロース的アプローチ」を意識すると、予想外のイノベーションやコミュニティの活性化が起こる可能性があります。
・OpenAI o1との壁打ちを通じて記事としてまとめたもの

登壇者情報

遠藤 太一郎

株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 准教授

AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等

https://kaname-prj.co.jp/

湯川 鶴章

株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長

米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

https://community.exawizards.com/aishinbun

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この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

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