AI駆動「タイニー(小さな)チーム」から「AI組織」への進化の過程を想像しながら、今いる大企業への影響を分析した一週間(2025年7月26日配信版_後編)

目次

本編動画

2025年7月26日に、以下の目次で「ほぼ週刊、AI動向のイマとミライ」動画を配信しました。

0:59 (1)本動画のテーマ
3:08 (2)前回の復習:大きく稼ぐ少人数スタートアップが急増中
5:49 (3)タイニーチームの特徴を持ったチームが大企業内にも増えてくるのだろうか?
8:47 (4)自立型エージェントは仕事をどう変えるのか
14:48 (5)タイニーチームの3タイプと課題
22:06 (6)タイニーチームからAI組織まで、どう進化するのか
29:51 (7)まとめとディスカッション 

各チャプターの概要は以下の通りです。

(1)本動画のテーマ  

(2)前回の復習:大きく稼ぐ少人数スタートアップが急増中
https://youtu.be/z7UlImruI34  

(3)タイニーチームの特徴を持ったチームが大企業内にも増えてくるのだろうか?
・プロダクト論の第一人者・Marty Cagan氏は「AIでチームの自律性とアウトプットが劇的に上がる」 と述べ、従来10〜12人だった組織が 4〜6人で同等以上の成果を出し始めている事例を紹介
https://www.svpg.com/team-autonomy-and-ai/?utm_source=chatgpt.com
・「組織構造自体が作り直される。AI時代は少人数チームで高速実験を回すモデルに収束する」(Brian Balfour氏 CEO of Reforge)
https://www.reforge.com/blog/ai-native-product-teams#the-first-wave-how-ai-is-already-reshaping-product-teams-e9fd3827eacf
・「社内パイロットを経て社内スタートアップを正式組成し、GenAIツールを社内外に拡張中」(Dan Kurdys氏 バイエル)
https://www.boardofinnovation.com/ai-insiders/enterprise-ai-at-work-bayers-genai/#listen
・「AIネイティブ人材 × 少人数チームが既存組織を転覆させる」(Aaron Levie氏 Box CEO)
https://www.businessinsider.com/ai-native-grads-will-outperform-junior-engineers-says-box-ceo-levie-2025-7?utm_source=chatgpt.com
・コーディングエージェントに続く高性能自律型エージェントは、リサーチエージェントやChatGPT Agentのような汎用性の高いエージェント。こうした自律型エージェントが進化し、普及していけば、一般企業の組織形態にも変化が生じるはず  

(4)自立型エージェントは仕事をどう変えるのか
・コーディング自律エージェント(例:Devin, Sweetcoder)
・Research 系エージェント
・ブラウザ/PC操作エージェント
・人を代替するようになると、組織の変化は大胆になってくる可能性がある  

(5)タイニーチームの3タイプと課題
・①プロダクト創出型(外販チーム):直接収益を生む SaaS/API開発が目的。KPI:ARR、ARR/FTE、顧客NRRなど
・②プラットフォーム/共通基盤型:社内横断で使う AI/データ基盤・ID 管理・課金・セキュリティを API として提供するのが目的。KPI:社内チームあたり導入率、コスト削減額、SLAなど
・③内部サービス型(HR・総務・経理など):“社内顧客”を満足させ、リスクを下げ、従業員体験を向上させるのが目的。KPI: 時間短縮、コスト回収率、社員 NPS、コンプライアンス指標など
・①は成り立つものの、②③はどうなのか ・課題1(共通インフラ投資はむしろ巨大化):計算資源・データ・セキュリティはスケールメリットが働くため、Meta が「百億ドル級データセンターを一気に増設」しているように、“下”はタイニー、“下支え”はメガ という両極化が進む
https://www.barrons.com/articles/meta-ceo-ai-arms-race-barrons-tech-8d0a2d90?utm_source=chatgpt.com
・課題2(重複開発・ブランド断片化):同じ課題を別チームが何度も解くリスク。→ 社内RAG検索や AI PMO(Project Management Office)で“誰が何を作っているか”をリアルタイム把握する仕組みが必須
・課題3(評価と報酬スキーム):ARR/FTEや社内ユーザー数でボーナスを配分する制度を整えないと、社内起業家の流出を招く
・先行事例2選
https://www.businessinsider.com/microsoft-build-keynote-2025-ai-agent-use-doubled-2025-5 https://www.ft.com/content/96dfec5f-4d5f-4c3e-8f66-ebd0dfc8392d  

(6)タイニーチームからAI組織まで、どう進化するのか
・以前リークされたOpenAIによるAI進化5段階
レベル1 チャットボット 会話できるAI
レベル2 論理的思考 人間レベルの問題解決能力
レベル3 エージェント 行動できるシステム
レベル4 イノベーター イノベーションを支援するAI
レベル5 組織 組織の仕事ができるAI
・レベル5の「組織」は、無数のAIエージェントが自由自在につながり合い、1つの群れのように動く組織。今から始まるtiny teamの時代から、レベル5のAI組織まで、企業の組織はどう変化していくのかOpenAI o3に聞いてみた(全部で4フェーズ)
・疑問点①:タイニーチームのよさは、仲間意識、迅速に動けるところ。製品開発チームには向いている組織形態だけど、総務、人事営業とかはAIツールを使うものの、今までの組織形態でいいんじゃない?
・疑問点②:ウェブで受注、発注は便利だけど、セールス部隊が必要な業務もまだまだ残るのでは?
・疑問点③:商品開発や営業はゲーム要素があって楽しい仕事。そこは人間がやりたいところだし、人間が貢献できる業務では?
・疑問点④:組織全体がAIになったときに人間は何をするの?  

(7)まとめとディスカッション

登壇者情報

遠藤 太一郎

株式会社カナメプロジェクト CEO
国立大学法人東京学芸大学 教育AI研究プログラム 教授

AI歴25年。18歳からAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業し、AIを用いたサービス提供を開始。AIに関する実装、論文調査、システム設計、ビジネスコンサル、教育等幅広く手がけた後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。上場後、独立し、現在は株式会社カナメプロジェクトCEOとして様々なAI/DAO/データ活用/DX関連のプロジェクトを支援する。国際コーチング連盟ACC/DAO総研 Founder等

https://kaname-prj.co.jp/

湯川 鶴章

株式会社エクサウィザーズ AI新聞 編集長

米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

https://community.exawizards.com/aishinbun

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この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

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