【動画字幕版】Meta(Facebook)のAI「CICERO(シセロ)」が凄い。ChatGPT、Bardだけではないテック大手のAI開発の現状

 2022年11月にOpenAIから「ChatGPT」が発表されて以来、ジェネレーティブAIへの注目度は高まり続けている。人々はこぞってその活用方法を模索し、SEOライティングや会議サポート、チャットコマース、集客ツールなど、多様なユースケースを見つけ出しては実践し始めている状況だ。

 そんなAI開発競争の中でも、「10年後になくなる仕事」で一躍有名になったマイケル・A・オズボーン博士は「Meta(Facebook)のCICERO(シセロ)」を、2022年で最も注目したAIだと話す。同氏は「ボードゲームDiplomacy上でのプレイヤーと交渉・説得する精度の高さに度肝を抜かれた」と語っているのだ。

 CICEROとはどのようなAIなのか。具体的にどのように、プレイヤーと交渉し説得するのか。今回も、AIとweb3の動向に詳しいDAO総研 Co-Founderの湯川 鶴章氏が解説した。

※本記事では、動画解説の字幕部分を展開しています。
記事末に短編動画もあるので、短時間でポイントを押さえたい方は短編をご覧ください。

目次

本編:ChatGPTで驚いているのなら、Meta(Facebook)のAI「CICERO(シセロ)」には腰を抜かすよ

今、ChatGPTがめちゃめちゃ話題だが
ChatGPTがすごいと思っているのであれば
FacebookのAIに本当に腰を抜かすと思う

Yann LeCun(ヤン・ルカン)さんというFacebookの親会社・Metaのチーフサイエンティスト

ディープラーニングの3人の父の一人と言われている有名な研究者なわけだが

最近のChatGPTのブームに関してどのように思っているかというと

AIモデルは巨大化したら効果的なんだということははっきりわかったと

ただ、巨大化するだけでは次の進化には行かないとも言っている

ChatGPTをはじめとする今の言語モデルは

人間が何か言ったらそれに反応しているだけなので「受け身」

これだけじゃあダメだよねと

やっぱりこれからはAIが自分の行動の結果を予測して計画するという

そこまで行かないとダメだよね、みたいなことを言っている

オズボーン博士が2022年に最も注目したAI

Dialogue Engineという会話ができるAIに加えて

Planning Engineという自分の行動を計画できるエンジンを乗せている

これでユーザーがゴールに向かうのを支援している

オックスフォード大学のマイケル・オズボーン先生が2022年12月に来日された時にちょっとお話しさせてもらったが

その時に「2022年で一番AIで何がすごかったですか?」って話を聞いた

そうしたら、11月に登場したChatGPTとかと比較しても「MetaのCICEROってのがすごいよ」と

ボードゲームのDiplomacy上でプレイヤーと交渉して人間を説得していくのだが

その精度の高さに度肝を抜かれたと言っていた

国家間の交渉がテーマのゲームで力を発揮した「CICERO」

Diplomacyとはどういうゲームかというと

第一次世界大戦のヨーロッパの国家間の交渉をテーマにしたもの

数人のプレイヤーがそれぞれ国になる

ロシアとかオーストリア、ドイツ、イギリス、トルコなんかの国になって

他の国と手を組んだり裏切ったりしながら、物資補給都市の過半数を集中に収めた国が勝ちというゲーム

誰がどの国かというのは分からないので、相手がAIであるかどうかもプレイヤーは知らない

このゲームではオーストリアがたまたまCICERO(AI)だった

トルコに「同盟を組まないか?」とか言っている

それに対してトルコの方も「いいね、組もうか」みたいな感じで返事をしている

こんな風にして他の国といろいろと会話することによって進めていくというゲーム

この画面左側の人がDiplomacyの世界チャンピオン

3回世界チャンピオンになった人で、Metaに協力していろいろとやってるそう

右側の人がMetaの開発技術者

「CICEROと戦った感じはどうでしたか?」と世界チャンピオンに聞いたら

こういうところがすごかったという風に答えている

世界チャンピオンから見たCICEROの凄さ

まず誰と同盟を組むかというのをしっかりと判断してきたという

もちろん相手は人を騙そうとするのでハッキリとは言わない

でも、ちょっとした反応から相手国が同盟に乗る気があるか乗る気がないのかということを判断してきた

これはすごいよなぁみたいなこと言っていた

それからと信頼環境を強化するということも頑張っているみたいで

関係性を良くするような会話をしている一方で

重要な戦術についても詳細に議論しているということ

あと共同戦線を組んで同盟国に戦術を提案している

このゲームがあまり得意じゃない人というのはどういう戦い方がいいのかが分からないかもしれないが

そういう人たちに対してCICEROが「一緒にこういうふうに戦いましょう」と提案している

その戦術もすごいと

よくこういう戦術が思いついたなと思うものを提案してきたのがすごいと言っている

4つ目、同盟を結んだからと言って同盟国とだけ会話するのではなく

それ以外の国ともずっとコミュニケーションを続けているというのがすごいなと言っている

というのは、万が一同盟国が裏切ってもすぐに対応ができるように

他の国ともコミュニケーションを欠かさないというのがすごい戦略だと言っている

あと長期的視野ということで、目の前で「ここの港を取ればいいのに」みたいな

そこの港を失ったとしても

最終的により多くの陣地が取れるような最終的な結果まで重視した戦略を立てているというがすごいと言っていた

あと最後に、この世界チャンピオンが「一番すごい」と言っていたのは

誠実だということ

嘘をつかないということ

「他の国と共同戦線を張っているので申し訳ないね」とか正直に言う

ただし、すべての情報を共有するわけではない

どの情報を共有すべきか、どの情報は共有しない方がいいのかということを判断できているというので

すごいと言っていた

必勝法は「誠実さ」であることを知るAI

一方で開発者はこんなふうに言っている

プログラムする上で「誠実さ」と「裏切り」のちょうどいいバランスはどこだろうと模索したそうだが

最終的に「誠実さ」だけの方が、CICEROはプレイヤーとして強くなったということ

これ面白いですよね

なんか人生と一緒で、やっぱり誠実な人が最後に勝つみたいな感じかなと思う

ただしすべての情報を外国と共有するわけではないと

自分に不利になるような情報は共有しないと

その判断ができるということ

なぜ誠実が勝つのかというと、一度嘘をつけば二度と信頼関係を構築できないから

だから例え敵国であっても誠実さを維持することが重要だとCICEROは考えたわけ

世界チャンピオンがこんなことを言っている

このCICEROというのは基本的に誠実で、人間に対して支援の手を差し伸べてくれるAI

このAIはいろんな用途に使えるんじゃないかと言っている

ChatGPTは様々なビジネスが興っているが、CICEROは?

さて、Metaはこの技術をどんな形で世の中に提供していくのか

2022年の秋に発表があったばっかりで

これをどんな風に売っていきますとか、公開してお金を取っていきますとか

そういう発表がまだなくて、こんなことをやっていますという発表があっただけ

一方でChatGPTの方はビジネスプランも公開しており

「こんな風にお金をチャージしていきます」ということも発表している

すでにいろんな企業が使い始めている

面白いところだと

(3つ目の)越境EC向け、外国向けECのチャットコマース機能みたいなところ

他言語にするのがChatGPTならすぐにできちゃうというのが面白い

あと(4つ目の)ミーティングアプリでChatGPTを使ったチャットボットを無料提供するところも出てきている

(5つ目の)WordPressにChatGPTを乗せて「こんな風に本文を書いて」と言ったら書いてくれたりもする

店舗自動集客ツールにも口コミ自動返信機能としてChatGPTを乗せるという話もある

早速たくさんの事例が出てきている

ChatGPT、Bard、CICERO…本当のAI競争はこれから

これからGoogleのBard、それから今回説明しているMetaのCICEROは

APIプログラムを公開してくるのだと思う

そこから本当の競争が始まるんじゃないのかな

今はChatGPTだけが注目されているが

Bardもすごいし、CICEROもめちゃめちゃすごい

そういうところがプログラムを公開してきた時にどのような競争なるのかが

これからの注目かなと思う

以上です!

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この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

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