【動画字幕版】基盤モデルと特化型モデルの間に「中規模モデル」が登場して、モバイル以来のプラットフォームのパラダイムが加速する

 ChatGPTやBardなど、昨今のチャット型AIトレンドに付随して、AIによる「基盤モデル」と「特化型モデル」への注目度が高まっている。基盤モデルという巨大なモデルがあり、その上に無数の特化型モデルが出てくるというのが、これからのパラダイムだと考えられているわけだ。

 一方でOpneAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、実際には基盤モデルと特化型モデルの間に「中規模モデル(“middle layer” model)」なるものが登場し、その上でモバイル以来のプラットフォームのパラダイムにつながっていくと説明する。

 どういうことなのか。今回はこの中規模モデルがもたらす未来について、DAO総研 Co-Founderのガネーシャ DAyOが解説した。

※本記事では、動画解説の字幕部分を展開しています。
記事末に短編動画もあるので、短時間でポイントを押さえたい方は短編をご覧ください。

目次

本編:Google級の巨大ビジネスを作りたいのならAIの「中規模AIモデル」を理解せよ

今起こっていることはブームだろうなと思う
中規模AIモデルというのが成長するんだろうと
これはモバイル以来のプラットフォームのパラダイムだと
無数の企業が登場することになるだろう

今チャット型AIはすごく話題になっている

ChatGPTをはじめ、これからいろんなチャット型AIというのが出てくるだろう

このブームはいつぐらいまで続くのか

これがそもそもブームなのか、それとも大きなパラダイムシフトなのか

今起こっていることはブームだろうなと思う

今は正直「過度な期待」状態である

これはハイプ・サイクル(hype cycle)

調査会社のガートナーが発表したもの

テクノロジーにはこのハイプ・サイクルがあるという

めちゃめちゃ期待が高まってみんなが注目してみんなが話題にするが

その後期待しすぎたので幻滅してしまって誰もその話をしなくなる

でも実際にはゆっくりとした開発が続けられてどんどんどんどん製品が良くなっていく

どのテクノロジーもこのハイプ・サイクルというものを経由すると言っている

今回のChatGPTもめちゃめちゃ期待が高まっているので

ハイプ・サイクルに入ってきているんだろうなと思う

だから期待しすぎてちょっと幻滅する時期というのは

この後に来るんだろうなと思う

この過度な期待っていうのがダメなわけじゃないと思う

この時期じゃないと生まれてこないものもあるはず

もしみんなが冷静にビジネスをやっていれば生まれてこないような突拍子もないものの中から

なんだかすごいものが生まれてくるかもしれない

「千三つ」のような感じで

千個の球を打ったら当たるのが3つかもしれない

でもその3つが生まれるためには気が狂ったように千個を打つ必要があるのかもしれない

だからこのピーク期というのは決して社会全体としては無駄ではない

みんな盛り上がっているからこそ、思いもよらないもので成功してくることが生まれてくる

無駄ではないと思うが、企業としてはあまりもリスクが高すぎるので

ベンチャー企業しか向かないかな

もしくは大企業でお金が余っているところしか、ここには乗り出せないんじゃないのかなと思う

記事作成から集客支援までChatGPTのAPI連携が加速中

どれだけ今ハイプかと言うと、いろんなツールが出てきている

面白いところだと

EC向けに外国語でチャットできるようなサービスにChatGPTを使ったりとか

ブログを自動的に書いてもらうのにChatGPTを使ったりとか

店舗の自動集客ツールに口コミの自動返信機能としてChatGPTを使ったりとか

いろんなところにChatGPTが使われてきている

やっぱりちょっとしたブームになっている

簡単にChatGPTと連携できちゃうので、いろんな会社がこうしてきている

でもだんだん「やっぱりあんまり使えないなあ」ということで

期待しすぎて幻滅するようになっていくのかなと思う

「掃除機」で捉える大規模モデルと目的特化型モデルの違い

今行われていることは「API連携」と言われているもの

掃除機の吸い込み口のところにいろんなツールを付け替えているようなもの

簡単にできちゃう、なぜかというと

円の直径が決められているので、その直径に従えばどんな部品でもくっつけちゃう

これが今起こっていること

こんな風にいろんなサービスにChatGPTがどんどんと乗ってきている

吸い口を変えただけのハイプはすぐに落ち着く

「話題のChatGPTを使ったけどあんまり使えないなぁ」という風になっていくんじゃないのかなと思う

これから基盤モデルの上に登場する「中規模モデル」

ChatGPTを開発したOpenAIのCEOのサム・アルトマンさんは

基盤モデルの上に無数の小型の特化型モデルが登場するというよりも

基盤モデルと特化型モデルの間に「中規模モデル」が登場して

その上に特化型モデルが出るんじゃないかと言っている

中規模モデルがどういうものかと言うと

基盤モデルの部品を使いながら

その国や市場、産業分野に合わせて作り直したAIモデル

吸い口だけを変えるというモデルじゃなくて、実際に作り直す

中規模モデルの上に、吸い口だけを変える目的特化型のモデルが無数に登場すると思う

大規模モデル(ガラガラと引っ張っていく掃除機)を分解して

モーターとか使える部分は使って全く別の掃除機を作るということ

その掃除機に吸い口が同じ目的特化型モデルがくっついていくという

こういうモデルになっていくと思う

中規模モデルはGoogle級の巨大ビジネスに不可欠な存在に

「幻滅期」が終わって「啓発期」というゆっくり伸びていくときには

中規模AIモデルが成長する

中規模モデルを作るにはちょっと時間がかかる

今回のように吸い口だけを変えればいいという使い方ではなく、分解して作り直さないといけないので

減滅期が終わって啓発期に入ったところで中規模モデルがどんどんと出てくるんだろうなと思う

アルトマンさんは

吸い口だけを変えた目的特化型モデルよりも中規模モデルの方が長期的に渡って大きな価値を提供するようになる

Google並の巨大ビジネスができてくるんじゃないのかなと言っている

Google自身がそういう中規模モデルを作ってくるのかもしれない

なぜ中規模モデルがそれだけ大きなビジネスになるかと言うと

中規模モデルの上に乗ってくる目的特化型モデルと「フライホイール効果」が生まれると言っている

フライホイール効果とは、使えば使うほどどんどん規模が大きくなるということ

まず中規模モデルからAIモデルを提供する

すると目的特化型モデルを使ってデータが生じるので、そのデータをもう一度中規模モデルに戻す

そうすると中規模モデルが余計に賢くなる

賢くなった中規模AIモデルをまた目的特化型モデルが使う

そうするとさらにデータが生まれるということで

多くの企業がこの中規模モデルを使えば使うほどデータが集まってきて

中規模モデルがどんどん賢くなっていくということ

こういう効果を生み出すので、中規模モデルはどんどん大きな巨大ビジネスになっていくことが想像できる

「注目すべきは中規模モデルだ」とサム・アルトマンは言っている

「これはモバイル以来のプラットフォームのパラダイムだ」と

「無数の企業が登場することになるだろう」という風に言っている

日本語、医療、法律、教育 etc…様々な分野で想定される中規模モデル

中規模モデルがどんな分野に出てくるのかと言うと

まず日本語の中規模モデル出てくるだろう

今の基盤モデルはだいたい英語でできている

日本語に変えることもできるが、日本の文化や商慣習などに関しては完璧じゃないので

日本にローカライズしたような完璧な中規模モデルが出てくるだろう

他にも医療や保健、教育など様々な分野で中規模モデルができてきて

その中規模モデルに特化型モデルが乗っかってくるんだろうなと思う

ブームは一旦去るかもしれないが

その後に中規模モデルというパラダイムが始まる

中規模モデルに注目すべきなんじゃないかなと思う

以上です!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

目次