【動画字幕版】「何を成したか?」がすべて。Astar Networkの成長要因から考える、グローバルで勝つための行動とマインド

 日本におけるweb3起業のトップランナーとして世界で結果を出し続けている、Astar NetworkファウンダーでありStake Technologies Pte Ltd CEOの渡辺創太氏。Binance、Coinbase、Polychainキャピタル、Gavin Wood氏と名だたるVC・メンバー等からの資金調達に成功し、web3界隈における日本のプレゼンスを着々と高めている人物だ。

 そんな渡辺氏は、どのような経緯でStake Technologiesを起業し、いかなる行動とマインドをもって現在に至るのか。そして、その先にどんな未来像を描いているのだろうか。

 今回は、サンフランシスコを拠点に活動する内山 幸樹氏(ホットリンク グループCEO、Nonagon Capital 投資責任者)との対談を通じて、その一端を探っていった。

※本記事では、動画解説の字幕部分を展開しています。
記事末に短編動画もあるので、短時間でポイントを押さえたい方は短編をご覧ください。

目次

前編:グローバルで勝つためには「巨人の肩」に乗れ!Astar Networkの成長要因を探る

「誰でもできること」を「誰もできないくらいやる」っていうのは、すごい大事にしていて
信用の積み重ねゲームだと思っていて
伸びるプラットフォームとか伸びる技術に張るっていうのは鉄則だと思います

内山:最初に、軽く出会いを振り返ってみると

僕たち3年前に出会ったのかな

東大ブロックチェーン寄付講座の立ち上げで出会って

Famieeの立ち上げを手伝ってもらったりとか

「内山さん絶対これ見ないとダメですよ」って言われて連れて行かれたのが

web3 Summit 2019 Funkhaus Berlin

そのおかげで僕は、世界のブロックチェーンの動きと日本のブロックチェーン業界が全然違うと気づいて

世界のブロックチェーンの動きを見なきゃいけないってことで

世界のweb3スタートアップに投資するファンドにお金を入れて

世界の動きをかなり早々の頃から掴めたというのは

もう本当に創太くんのおかげ

それから毎週日曜日の夜10時から「web3勉強会」というのを3年にもわたって続けた

 

渡辺:web3会を発足させたのがweb3 Summit

当時のweb3 Summitはものすごくテッキーなオタクの人たちが集まって

ピュアなweb3を喧々諤々とずっとやっているような感じだったんで

そこから3年間そのメンバーが続いてるのがすごく感慨深い

最初から海外でやることを決めていた

今日はアスター(Astar Network)の歴史から振り返って、海外事業の作り方を色々と伝えたい

会社を創る時はもうDay1から海外を目指すって言ってたよね

 

はい

 

そこから会社の組成やチーム作り、どういう商品を作るのかとかいうプロセスの中で

いかに海外を意識しながらステップを歩んでいったのか

自分なりに語ってみてほしい

 

当時、内山さんとも出会った東大ブロックチェーン寄付講座で最初のCTOとも出会って

彼は今アドバイザーという形にいる

最初から海外でやるっていうことが非常に重要だなと思ってた

もともとシリコンバレーでインターンとかをしていた経験もあって

シリコンバレーの人たちですごいのって、視座が最初から世界

あんまり「アメリカを良くしたい」みたいな人に会ったことがなくて

みんな移民で、アメリカ人の方が少なかったりすると思うんで

マインドセットとしてはグローバルというのはすごい重要だと思っていた

あとweb3というのがもう

孫正義さんとかの時の時代と違って、タイムマシン経営とかじゃなくて

もうインターネットがある前提での話なので

情報格差を用いた地理的なタイムマシン経営というのはあんまりワークしないと思っていて

だったら最初から日本という土地にいながらも世界の最先端にコントリビューション(貢献)できるというのが

web3的な魅力の一つであるなという風に思っている

2人目の社員として、日本語喋れないロシア人のすごいエンジニアの人を入れて

そこからもう英語になり

web3(当時はWeb 3.0)ということを言い始めたのが2019年

うちの会社のWebページでは、最初は「web3を実現する」がミッションだった

我々、多分日本で「web3」って言い始めたかなり最初の人たちだと思っていて

当時web3とはなんぞやみたいな議論で、ほぼ相手にされなかった

資金調達とかも結構大変だった

自分たちでプロダクトを作り始めて、web3の波が2021年の末くらいから来て

Polkadot(ポルカドット)というチェーンに世界で3番目に接続をして

BinanceやCoinbase、Polychainキャピタルなどに資金的援助・投資もしてもらって

今グローバルプロジェクトとして世界で認識されているフェーズかなと思う

優秀なメンバーに集まってもらう方法とは

ずっと見ていて思うのは

世界で戦えるレベルの人を採用する力ってすごいなと

例えば東大ブロックチェーンイノベーションラボで最初に見つけた学生を

CTOにしてるんだけど

彼は世界のプログラミングコンテストで何度か入賞したことがある人

そういうレベルの人を最初から入れているし

おそらくロシア人のエンジニアも多分すごい人なんでしょう

 

すごいですね

 

どうやって見つけたんですか?

 

ある程度自分に技術的なバックグラウンドというかリサーチ能力というか

「ここが来るな」みたいなことを知っている必要があると思う

技術的な理解度というものは必要だと思っていて

それを持っていると、この人がどれくらいできるのかみたいケーパービリティ(能力・力量等)を理解できるので

日本の優秀なエンジニアを採用できるというのはあると思う

もう一個

世界で人を集めようとした時に

優秀な人たちってカッティングエッジなプロダクトを作ってるチームとかで

働きたいじゃないですか

なので当時、我々は日本で相手にされなかったけど

Polkadotのカンファレンスとかに行くと一応認識されていて

「頑張ってるチームだよね」みたいな感じで言われていた

なので、すごいニッチだけど世界の最先端のところにいるっていうのが、すごい重要だと思う

 

社員2人の時に、もうそうなっていた?

 

3人ですね

当時、目の付けどころが良かったんだろうなっと思う

最初から確度のいいプロダクトができることなんてほぼほぼないので

試行錯誤しながら「あれでもない、これでもない」っていう微修正を重ねて

今に至るような感じですね

なのでピボットは2回しています

誰でもできることを「誰もできないくらい」やることが大事

ピボットする前ってそんなにイケてるわけじゃないじゃない?

イケてるわけじゃないのに、世界の本拠地のWeb3 Foundationとかに殴り込みかけるのは

自分の中で勝算があったの?

 

勝算はない

でもやっぱり一つ、人生で学んだこととして

「誰でもできることを、誰もできないくらいやる」ことをすごく大事にしている

Polkadotでプロジェクト始めて

わざわざWeb3 Foundationまで会いに行くやつっていない、普通に考えて

みんな、オンラインのやり取りで終わらせたり、ちょっと貢献してみたけど伸びそうにないから辞めたり

そういうのが普通

現地まで行ってコミュニケーションを取って頑張ってリレーションを作ろうとするみたいな人って、当時はいなかったので

向こうも向こうでコントリビューションしてくれる人の数が増えたら嬉しいので

こっちもちゃんとWeb3 Foundationに対して見せられるものはあったし

実際にそこまでやってリレーションを築こうという人もいなかったので

そこで結構、いいレバレッジが利いたかなと思う

あとやはり、価値提供できるものがないと表敬訪問で終わっちゃうので

こっち側がちゃんと作ったり、仮説持っていったりというのは

すごい重要なんじゃないかなと思う

 

ベルリンに行った時には何をもって行ったんだっけ?

 

Polkadotの中でやっていたので

Plasmというレイヤー2技術とかをやっていた

 

なるほど、じゃあそれを売り込みに行ったんだ

 

はい

その中でいろんな人と会話を重ねる中で

プロダクトの方向性を微修正していって今に至るという感じ

法務・税務でかなり後手を踏んだ立ち上げ期

まず日本で会社設立したのは、後から振り返ると失敗だった?

 

失敗でした

 

そこはいわゆる税制とかの面だけなのかな?失敗だったなと思うのは

 

やっぱり海外のプロジェクトが

どういう国際的なスキームを用いて

どういう形で会社運営をしていくのかっていうことを知らなかった

であるがゆえに、法務や税務のところでかなり後手を踏んだ

やらなくてもいい作業をいっぱいしてしまった

基本的に海外だと、国際的なフレームワークを用いてファウンデーションや会社を立てるわけだが

我々は会社しか立てていなかったので、そこでいろいろな問題があった

次にやるんだったら、もっとグローバルな、例えばドバイやシンガポールなど

そういうのを全部検討した上でやる

それまでは日本で始めるという選択肢しか持っていなかったので

かなりミスもしたなと思う

例えばトークンの資金調達とかも、もっとICOやIDO(Initial DEX Offering)などフレキシブルにできたと思う

我々って、トークンの30%くらいはエアドロップをしているので

もしそこで、そのトークンを資金調達で使えたら、もっとスピード早く開発できたと思う

自然と身についた“ペイフォワード文化”

資金調達という面でいくと

海外を意識して「こういうふうにやっておいて良かった」みたいなことはどうなんでしょう?

勝手に僕から言うと

やっぱり最初に入るときに、出井伸之さんとかエンジェルで入ってもらったことで

「若い俺だけど、こんなソニーの元CEOとかがエンジェルで入ってくれるんだ」っていうのは

海外の投資家に対して一つのアピールポイントになったのかなと思ったんだけど、そんなことはない?

 

アピールポイントになった、それはすごくよかった

それで認めてもらって、Binanceから調達したことで、またそこで認めてもらって

次のラウンドに続いたりとかしているので

「信用の積み重ねゲーム」だと思っていて

出井さんにサポートしていただいていたことが信頼になって

海外のVCから注目してもらって

それがまた信頼になって

次のもっと大きなところに続くみたいなことが起こっていると思う

 

やっぱり、最初にギブしているんだよね

例えば東大ブロックチェーンノベーション寄付講座だと、創太くん、当時何やってたんだっけ?

 

いろんな人を繋いだりしていた

 

自分たちがやっているグループじゃない東大ブロックチェーンノベーション寄付講座のところに

自分が持っているネットワークの面白いエンジニアを紹介したりとか

 

それは結構ある

シリコンバレーのカルチャーって結構“ペイフォワード”

当時留学してた時から、それはすごい大事にして「いいな」と思っていたカルチャー

なんで彼らがペイフォワードするかっていう結論は僕の中にはあって

隣のやつがもしかしたら1年後にマーク・ザッカーバーグになるかもしれないから

誰が成功するかわからないから、みんなに対してペイフォワードしておいた方が

回りまわって自分にもいいよね、っていう考え方だと思っていて

それを思った時に、僕も自然とペイフォワードカルチャーが身についていた

「巨人の肩の上」に乗って伸びるプラットフォームや技術に張る

資金調達する時に、日本からの投資の後

海外で一番最初に入れてくれたのってどこだったの?

 

ラウンドで言うとBinanceのラウンド

 

何が要因で、Binanceから調達できた?

 

やっぱりPolkadotがローンチして、Polkadotの価格が伸びていて

その中で我々がエコシステムをリードするプロジェクトの1つだったから

やっぱり巨人の肩に乗るのがすごい重要で

僕みたいに「1社目で若くて」みたいな人だとトラックレコードもないし

最初からEthereumみたいなものを自分で作れるかって言うとそうでもない

自分で“オレオレ”のチェーンを作ってもみんな使わない

だったら巨人の肩に乗って、彼らのグロースに乗るっていうのがすごい重要だと思う

彼らが伸びたから我々も伸びる、みたいな構図を作れたのが良かった

そういった点で、投資家的な考え方とか発想がすごい必要

伸びるプラットフォームとか伸びる技術に張るっていうのは鉄則だと思う

環境面のハンデがあるからこそ、プロセスを見せることが重要

Binanceから出してもらい

その後“わらしべ長者”的にどんどんと大きなVCに出ていったんだよね?

 

CoinbaseとかPolychainキャピタルとかGavin Woodとか

Polychainキャピタルというアメリカのトップファンドがステークホルダーで一番大きい

彼らには、調達する前に2回断られている

3回目で20億円くらいいきなり入れてくれた感じ

それは、最初に断られた時から僕が粘り強くアップデートを送っていたから

 

ここからの教訓は何なの?

しつこくやり続けろなのか、それとも時間かけて最初からプロセスを見せてあげることが大事ってことなのか

 

プロセスを見せてあげるのはすごい重要

グローバルで戦う上で、僕とか日本人って

英語的なハンディキャップもあるし

アメリカ人と比べたら事業としてスケーラブルなもの作りにくいとも思う

地理的にだとか、注目のされ方的にとか、難しいと思う

アメリカ人と同じ土俵でアメリカ人と同じゲームをしていたらダメで

その中で工夫してやったのは、トラックレコードとかインベスターとのリレーションシップというのを

ちゃんとトラストベースで作ったりだとか

そのコミュニケーションを丁寧にやることによって説得するというのは

自分がやっててよかったなと思った

中編:大陸ごとに役割を分ける!19ヵ国の優秀なメンバーが働くStake Technologiesのチームマネジメント術を探る

ハングリーに働けるかっていうのはすごい重要にしてて
大陸ごとに役割を分けてて
トークンのボーナスとマンスリーのサラリーって感じ
パブリックスペースの頑張り具合ですね

チーム構成に行こうか

 

現在、19カ国のメンバーが36人くらいいる

結構グローバルで働いていて、24時間体制でマジで開発しているような感じ

大陸ごとに明確に役割を分けたチーム

大陸ごとに役割を分けていて

アジアはファイナンスと全体戦略、僕がアジアにいるから

ヨーロッパで開発、アメリカでマーケティングっていう風に役割を明確に分けている

例えばデベロッパーが日本とアメリカにいた時

同じチームにいたら、同じ質問を1個飛ばすだけで回答が帰ってくるまでに1日かかる

そうすると効率が非常に悪い

なので我々がやっているのは、基本的に同じことをやっている人たちを同じタイムゾーンに置くということ

それによってコラボレーションやコミュニケーションをスピード早く終わらせるようにしている

 

開発者がヨーロッパにいるってことは、ヨーロッパ時間で開発しているから

ヨーロッパの夜は開発が止まっていると思っていいんだよね?

 

開発は止まる

その間にマーケティングチームがマーケティングをするみたいな

 

海外に散らばると、それぞれの労働法も違うし労働の仕方の文化も違う中で

そこの多国籍のチームのマネジメントをどう工夫しているの?

 

まずWorkDAOという会社がいる

19ヵ国いたら、各国の法律・税務まで我々が面倒を見ることはできない

DAOで働く人たちが法律等を守れるように調整してくれる会社がWorkDAO

そこの人たちと一緒に進めている

文化や性格やマインドセットは国によって違うが

我々はやっぱり「ハングリーに働けるか」っていうことをすごい重要にしていて

ハードワークできない人はAstarにはいない

残れない

なので、グローバルでちゃんとシビアに採用するのが非常に重要

3ヶ月とかで「合わないな」と思った人は一瞬でクビになるようなカルチャー

アメリカ的なカルチャーだと思う

1ヶ月一緒に働けば、コミュニケーションの仕方とか仕事のやり方とかがだいたい分かる

大事なのがProactive Execution(プロアクティブ・エグゼキューション)

指示される前に、会社でやらなきゃいけないことを自分で理解して終わらせていくっていうのがすごい重要

指示しないと動けない人間は、うちの会社においてはいない

 

でも日本人はすぐクビにできなかったりしないのかな?大丈夫なのかな?

 

うちは基本的に業務委託みたいな形で全部やるので大丈夫

 

WorkDAOの人たちと一緒にやっているということは

WorkDAOの人たちがノウハウを提供してくれるということ?

 

例えばアメリカだと、税制や法律が結構難しい

なのでWorkDAOとうちが契約して、WorkDAOで採用するような感じ

WorkDAOがローカルの税務・法務とか給料計算とかをちゃんとする

 

じゃあ支払いもWorkDAO経由でみんな支払うわけ?

 

はい

 

そうなんだ!知らなかった〜

僕らはWorkDAOに支払っている

いい意味で人材の入れ替えは激しい

あとは評価だよね

 

評価は簡単で、アウトプットしか見ない

評価軸はシンプルにした方が良くて、何を成したかしか見ない

「何時間働いた」とか「どのミーティングに出てきた」とかどうでも良くて

何を成したか

これも2つあって、1つは自分の仕事

例えばバックエンドエンジニアだったら

自分が与えられたタスクをどれだけちゃんとこなせているかどうか

もう一つは、自分が与えられている仕事外にどれだけ貢献できるかどうか

例えばバックエンドエンジニアが仕事でバックエンドしかやらないエンジニアは、うちにはいらない

バックエンドが仕事だけど、アンバサダーやマーケティングチームのミーティングに出たりだとか

別にそのミーティングに出ることが重要なのではなく

今会社で何が起きているのかとか、何が重要なのかなみたいなことを理解しようとする姿勢が評価される

 

それは自分でプレゼンするのかな?

俺はこういうことやった、こういうことやった

それとも、こっちで見て?

 

うちのマネージャーが結構ハードに働いているので、見ていればわかる

基本的にうちは全部オープンでtransparent(透明性)を心がけているので

例えばDMで「俺はメッセージしていた」みたいなのは関係なくて

全部僕が見える範囲で頑張っているかどうかが決まる

もちろんそれは、僕が決めるってわけじゃなくて

パブリックスペースの頑張り具合ですね

 

俺はもっとやってる、やってる、やってるっていう

自己主張の強いアメリカ人とかインド人とかが納得しないとか、そういうのはないの?

 

あったりするけど、あまりそれを受け入れられるカルチャーではない

 

それは渡辺創太のカリスマ力なのかな?

 

数字だからだと思う

決めたKPIがバカ伸びていれば、別に1日1時間しか働かなくてもいい

それが伸びていなかったら、いくら頑張って働いても評価しないっていう

大抵の場合、頑張らないと伸びないKPIなんで、頑張って働くみたいな感じ

人材の入れ替えは結構多い

 

それはいい意味で?

 

いい意味で多いと思う

コアメンバーがあんま変わることはないけど

新しく入ってきた人がまた抜けて、みたいなのは多い

最初の給料は手取り12万ちょっと

前にやった勉強会では「うちは優秀な人を雇って市場以上の報酬を払う」って言ってけど

それは今でも貫いて、うまくいっている感じなんですか?

 

今でもそう

トークンのボーナスが大きい

トークンのボーナスとマンスリーのサラリー

ボーナスが結構ボリュームある感じ

 

マンスリーのサラリーだけでも市場と比べて大きいのか、トークンをつけると市場価格より大きいのか、どっち?

 

トークンなしでも市場価格上回っていると思う

 

そこが思い切った施策だったなと思っていて

僕らWeb 2.0の世界だと「スタートアップだと資金もないからストップオプションで安い給料で」みたいなところが多いんだけど

そこの切り替えがすごい早かったなと思う

 

最初の2〜3年は、それこそめっちゃ給料が足りなくて

最初、僕15万円で手取りが12万円になるっていう(笑)

 

税金引かれるって知らなかったんだよね?

 

知らなかった(笑)

2年目30万円で、3年目50万円

今はもっともらっているけど

 

よかったですよかったです

 

調達してからやっぱり変わった

ある程度無理するフェーズと、ある程度給料をちゃんと払うフェーズがあると思っていて

自分の給料を下げることによって、それが原因で心理的な困りごとを増やすのは建設的じゃない

今は好きなものを食べられるような給料を自分に払っている

でもその分、僕がその1〜2年目とかに取ってきたリスクは他のメンバーとはぶっちゃけ比較にならないので

その分僕が一番トークンをもらうという設計になっている

後編:日本を使うことは正直ダサい。でも成功確率を1%でも上げようとしない起業家の方がもっとダサい

孫さんがタイムマシン経営だとすると
僕はアービトラージ経営
日本を使うことは正直ダサいと思う
でも、1%でも成功確率を上げない選択をする起業家の方がダサいなと思った
今チャンスなんですよね、日本って

実際に海外に出て戦ったけれども、打ち当たった現実およびそれに伴っての

最新の戦略を聞かせてもらえますか?

孫さんがタイムマシン経営だとすると、僕たちはアービトラージ経営

僕日本人なので、“地の利”ってすごい大事だなと思う

よく海外に出ていった起業家は、「日本を使うのってすごいダサい」みたいな風潮があると思う

例えば「アメリカに来たんだから、故郷は捨てて俺はアメリカで頑張るんだ」みたいな

僕もそうだったんだけど

 

俺もそういうところがあったね

 

でも、裸一貫で乗っていって勝てるマーケットじゃない

みんなが強すぎて優秀すぎて

例えば僕の場合は圧倒的に日本に地の利があるわけで

NTTドコモさんや日本政府など、そういう人たちとリレーションシップがある中で

地の利を生かさないといけないなっていうのはすごい思って

僕も1〜2日くらい迷ったけど、そこで出た結論が

日本を使うことは正直ダサいと思う

使わないでアメリカに勝てたらそれでいい

でも起業家として地の利があるって分かっているのに

自分のこの事業を1%でも成功確率を上げない選択をする起業家の方がダサいなと思った

そういう発想の転換があって、割り切って全部使おうと思って

日本に地の利があるので、2023年はもう本当に日本をちゃんとやる

まだweb3は、税制や法務など議論がしなくちゃいけないフェーズ

日本政府のそういう議論に貢献をするだとか

大企業がweb3に入ってこようとしてるいるので

NTTドコモさんがAstarと提携してweb3やるというニュースがあった通り

web3の推進を進めるみたいなこととかはやりたい

それやることによって、アメリカ人とかにも刺さりやすい

そのレバレッジを今度アメリカで立てて、アメリカでマーケットシェアを取るみたいな

これも飛行機の中で最近思いついたこととして

孫さんがタイムマシン経営だとすると、僕はアービトラージ経営

グローバルでお金・人・事業を集めて、まずアメリカで我々資金調達して

それをレバレッジで日本に入ったのが9月

今度は日本をアービトラージして日本でユースケースを作って、それを今度アービトラージしてアメリカに持っていく

このようなアービトラージを繰り返す中で、2023年はBacked by Japan的なブランドができたけど

2024年はAstarって言ったら国際的なブロックチェーンだよねっていう風に言われるようになりたい

web3では2ステップでの起業プロセスが望ましい

今日本の若いスタートアップの起業家たちが

みんな日本を出てドバイに行ったりシンガポールに行ったりするんだけど

やっぱり僕がシリコンバレーでいろんなスタートアップの人たちのピッチを見ると

みんな大人の人たちがどんどん入ってきていて、上場したMIXI(ミクシィ)とかグリーとかサイバーエジェントとか

成功したような大人たちが優秀な人を海外に送って海外展開するけど、みんな苦しんでる

そういった中で、若い人たちが出ていくっていうのを本当に推進していいんだろうかっていうのは結構悩むところがある

出ない限り何も起こらないんだけど、そこに対してアドバイスというか思うところがあったらぜひ教えてほしい

 

海外で戦うってそんな生半可なことじゃない

精神的にも数倍きついし、ビジネスの成功確率としても多分数倍ハードが上がる

だから覚悟がないんだったら日本でやっていたほうがいいんじゃないかなと思う

ただ一方で、国の現状を見たときに今後マーケットが小さくなってきていて

日本の小さいパイを取り合うことにどれだけ意味があるんですかって言うと

僕らみたいな年齢的にリスクを負えて失うものがない世代の人たちにとっては

海外で勝てるような日本人像や日本企業を作りにいったほうが社会的にインパクトがあるよねって言うのは思う

なので、人に勧めるものではないです

でも、志がある人はやればいいんじゃない、やった方がいいんじゃないかなっていうのはすごい思う

 

一つ最近仮説として思っていることは

それだけの思いや才能を持った若者が世界に出るのをすごい応援したいんだけど

いきなり世界に出て起業って相当難しいと思う

日本で起業したって難しいんだから

DAOとかを通じて世界のいろんなプロジェクトに入れるわけだから

とにかく世界で勝っているプロジェクトにまずジョインして

世界で勝つ組織ってどんなものなのかとか、世界で勝っている人たちのネットワークとかの情報をつかんで

そこである程度経験積んで、そこで見えてきた課題

この最先端のプロジェクトの中でもこういう課題が見えたんだから、そこで出会ったやつらと一緒に起業しました

みたいな2ステップくらいの方が、もしかしたらいいんじゃないかって気がしている

 

それは結構重要だと思う

日本にいながら海外で通用するプロジェクトって、作ろうと思えば作れる

日本にいるけど、普段コミュニケーションしている人たちは海外のトップレベルの人たちみたいなことは全然できると思う

 

Web 2.0の世界から見ていて思うのは

日本でチームを作ってから海外に出たら絶対ダメで、海外で通用する人を途中から採用しなきゃいけないんだけど

最初からグローバルのチームを作るのってすごい大事だと思う

 

最初から海外で通用するチームを作るっていうのは大事

ここ1〜2年で「web3といえば日本」と言われるようすることが大事

だいぶ俺の想定してた質問内容は流したんだけど

創太くんの中で実はまだ言い足りない、ここもちょっと伝えていきたいというのがあれば

 

結局web3って最初からグローバルなので

もっと日本人が最初から海外で勝っていくプロジェクトを作っていかないといけないな、っていう風に思っている

今チャンスなんですよね、日本って

政府、金融庁がすごい厳しいレギュレーションを作ってたおかげで

FTXショックとTerraショックの影響がアメリカに比べてちっちゃいので

アメリカはもう結構お通夜状態だが、日本は政府も含めて「ここからだ!」感がすごいある

大企業も動き始めて

なのでこの1〜2年で、どこまでキャッチアップして

「web3って言ったら日本すごいよね」って言われるくらいにできるかっていうのは、すごい重要だと思う

これはスタートアップだけじゃなくて、大企業や政府のフレームワークとか

そういうのを含めた全体の話をしている

Web 2.0は結構やられたので、web3でやっと日本にすごくいい球がまわってきたなっていう感じなので

2023年は結構肝になると思うので、気を引き締めてやっていかないといけないなと思う

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この記事を書いた人

人ひとりが自分な好きなこと、得意なことを仕事にして、豊かに生きる。 そんな社会に向けて、次なる「The WAVE」を共に探り、学び、創るメディアブランドです。

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